【出版・メディア】WEBと紙の複雑な関係

出版業界の今後についてあれこれ言われているのをよく耳にします。

書籍・雑誌の販売高は平成8年をピークに減少傾向。平成25年の出版販売金額は1兆6,823億円(前年比3.9%減)と9年連続で減少の一途をたどっています。

(参考:「業界動向」http://gyokai-search.com/3-hon.htm)

WEBがわたしたちの日常に進出するにつれ、さまざまな情報が紙媒体からデジタルに移行し、手軽に読まれるようになりました。

インターネット及びスマートフォンやタブレット端末の普及により、書籍離れが深刻化。


「いつでもどこでも、手軽にリアルタイムな情報が手に入る」

知りたいことが秒速で調べられる時代となり、私たちの生活は大きく変わりました。


では、これからも出版業界は縮小の一途をたどるのでしょうか。

私はそうは思いません。

「これからは何でもデジタル!」「電子書籍で100冊の本を持ち歩ける」なんて

もてはやされましたが、その盛り上がりもひと段落し

「“デジタル”と“紙”では、それぞれの得意不得意なことがある」

と、みんな気づいてきたころではないでしょうか。

私は、紙派ですが、WEBを否定するわけでもありません。

それぞれの特性を生かした情報の伝え方がベストだと思うのです。


ここでは、電子書籍、ウェブメディア、キュレーションサイトなどのWEBコンテンツと

紙媒体との比較をしてみたいと思います。


デジタルの強みは先ほどお話した内容も含め

 ・リアルタイムな最新情報

 ・手軽にどこでもみれる

 ・SNSとの連動

 ・ワールドワイド

などですが、紙にはかなわないデメリットとして下記のことがあります。

 ・ディスプレイは長文を読むのには適さない

 ・情報の正確さに欠けることがある

 ・保存性の低さ

 ・コレクション欲が満たされない

 ・世界観に入りづらい

さらにいうと、「五感に響きにくい」と個人的には感じています。

同じ内容でも紙で読んだほうが感動するのではないでしょうか。

感覚的な話なので、あくまでも私個人の意見になってしまいますが。

この中でも特に「ディスプレイで長文は読めない」という認識は高まり、スマートフォンでみることを想定されたコンテンツでは、きれいな画像を多用した視覚重視なものが多くなっていますね。


次に紙媒体について、ですが

こちらは

1番のメリットとしてはやはり

 ・しっかりとした世界感があり、読者がその中にどっぷりはまれる

というところです。

 ・情報の信頼性

 ・保存性(何十年も本棚において何回も読み返せます)

あとは、紙の質感や自分で紙をめくる感覚も想像力をかきたてられますし、楽しみの一つです。(紙マニアな私だけでしょうか・・)


とはいえ、旅行情報やタウン情報、グルメ雑誌などのたぐいは、新鮮な情報と口コミでデジタルが強く、紙媒体の勝ち目はないと感じます。

私の大好きなファッション雑誌のジャンルも残念ながら、雑誌ではなく、キュレーションサイトやInstagramで最新の流行をチェックする若者が多くなっているようです。

唯一、ファッション雑誌で神のような存在になっているのが『VERY』。

高所得の主婦を対象としたおしゃれな雑誌ですが、読者の徹底的な動向リサーチにより、主婦の圧倒的な支持を得ています。

『VERY』に掲載されたブランドは問い合わせの嵐。 ブリジストンと共同開発したかっこいい“ママチャリ”もものすごい売れ行きで、「ダサい」ママチャリ業界に激震が走りました。


しかし、メディア業界全体では、かつて「すきま時間」に読まれていた雑誌や小説などの変わりにスマートフォンが入り込み、ゲームやSNS、コンテンツメディアで「ひまつぶし」する人が多くなりました。

なんでも手元にある携帯で事足りるので、本屋にいく理由がないということでしょうね。


では、逆に、紙媒体の書籍で好調なジャンルは、「実用書」や「ビジネス書」「自己啓発」などです。「仕事のスキルをあげたい」「人生の質を向上させたい」という意識の高い人や、悩みをもっている人、「人生を変えたい」と感じる人は、本への購買欲が高いようです。(私を含め)


実際、「本屋には、“人生の喜怒哀楽”や“知恵”、すべてが詰まっている」と行く度に感動します。

「良い本との出会いは人生を変えるほどの力がある」

もっともっと、本屋での良質な出会いを求める人が多くなるよう、祈っています。



画像:https://www.flickr.com/photos/payitforwardphotos/16823568940/

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